2000年12月28日 中部経済新聞 
 

「凝りだすとトコトンやり、マスターすると次のことがしたくなる。性分ですね」と話す伊藤製作所の社長の伊藤澄夫さん。趣味の話題が移ると、自然に表情も緩む。シングルのゴルフ、スキーは2級、弓道4段、水泳、射撃と幅広くマスターしたが、中でも手軽な手品には愛着があるという。「もともと人を楽しませるのが好きだった。驚く表情を直接感じ取れるのも魅力の一つです」

10年前に始めた手品はプロ級の腕前だ。財布の中には小道具のコイン、ポケットには小さく畳んだチーフ、カバンにはトランプを忍ばせ、用意には抜かりない。「色々な使い方の出来るトランプなら、一昼夜続けるネタはあります」と話し、育てた弟子も6人に上るという。「披露の場は結婚式や業界内の宴会が中心。湿りがちな同業者の集まりでは、清涼剤になるようです」と話す。