2006年7月31日 日刊工業新聞 
 
 冷間鍛造部品を強化
伊藤製作所、第2の柱に育成

 伊藤製作所(三重県四日市市、伊藤澄夫社長、059・364・7111)は、07年初めから冷間鍛造部品事業を本格化する。大口受注が見込めるため専用の新工場を建設、主力のプレス部品事業に次ぐ柱に育てる。08年3月期の売上高は冷間鍛造部品事業の増収分を見込み、22億5000万円(06年3月期は17億3000万円)へのアップを目指す。

新工場は本社に隣接した1550平方bの用地に建設し、07年2月に稼働する。新たな冷間鍛造用プレス機や金型製作用工作機械などを導入する。
総投資額は約4億9000万円。

 05年9月に冷間鍛造専用の300tonのプレス機を導入し、試作しながら技術を蓄積してきた。複雑形状部品も慣送り金型に組み込んで加工するため、高精度の成形ができる。金型製作や潤滑油のノウハウなどについても技術を確立済み。

 冷間鍛造部品は鋳造や切削加工する部品に比べ短時間に生産でき、高精度。その分、技術蓄積が必要なことから「国内でしか生産できない部品として受注拡大を目指す」 (伊藤社長)。

 伊藤製作所は自動車業界向けプレス部品事業が主力。プレス部品は車部品メーカーの海外進出などで国内受注の伸びが期待しにくいため、鍛造部品事業を強化する。